奈良女子大学との共同研究について
フリースクールSinceを対象とした研究成果が発表されました。
このたび、奈良女子大学の野上特任講師らとの共同研究として、フリースクールSinceを利用する子どもたちの「QOL(生活の質)」や心理社会的な状態に関する研究成果が発表されました。
本研究では、
- 子どもたちの心身の状態
- 自尊感情
- 居場所感
- 他者との関係性
- 保護者の精神的健康
などについて、多面的な調査が行われました。
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○「安心できる居場所」が、子どもの支えになる可能性
研究では、フリースクールに通う子どもたちのQOL(生活の質)について、一般児童のデータとの比較も行われました。
これまでの研究では、不登校傾向のある子どものQOLの低さが指摘されてきました。
しかしながら、本研究の結果として
- 身体的健康
- 情緒的well-being
- 自尊感情
において、大きな差は見られませんでした。
また、「自己存在感」に関しては、一般児童より高い傾向が示されました。
論文では、
- 安心して過ごせる環境
- 他者とつながる経験
- 「ここにいていい」と思える感覚
が、子どもたちの自己存在感につながっている可能性について考察されています。
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○Sinceが大切にしてきたこと
Sinceでは、「学校に戻ること」をゴールにするのではなく、
- 安心して過ごせること
- 自分らしくいられること
- 誰かとつながれること
- “役に立てた”と思える経験を積むこと
を大切にしてきました。
今回の研究は、そうした「居場所」としてのフリースクールの価値や可能性について、研究という形からも検討いただいたものです。
もちろん、本研究は少人数による予備的・探索的な研究であり、論文内でも「一般化には慎重さが必要」とされています。
そのうえで、
「子どもが受け入れられる環境」
「誰かとつながれる体験」
「自分には価値があると思える感覚」
の大切さを、改めて考えるきっかけとなる研究成果であると感じています。
Sinceはこれからも、子どもたち一人ひとりが、自分のペースで社会とのつながりを取り戻していけるよう、実践を続けていきます。
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※本研究は、奈良女子大学研究推進プロジェクトとして実施されました。
論文:「フリースクールに通う不登校児童生徒のQOLと心理社会的要因の関連 ―親の精神的健康・子どもの居場所感および強さと困難さに着目した予備的研究―」